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中間管理職の男性視点で、仕事に役立つ記事を書いています。
使えない部下、仕事ができない部下、報連相できない部下、コミュニケションができない部下、困ったダメな部下。
部下は上司として、頭を抱えてしまう問題の1つです。
どうやったら部下が戦力になり、チームに貢献できるようになるのか、私の経験を含め解決方法を導いていきたいと思います。
ではいってみましょう!
目次
- 1 最大の目的は「部下そのものの改善」ではなく「生産性を上げ成果を上げる」こと
- 2 強制・高圧マネジメントはもう使えない
- 3 やる気はなくてもいい。流れ通りやれば良いと考える
- 4 コミュニケーションを多くとり、性格や行動パターンを把握
- 5 話しやすい雰囲気を出す
- 6 何が得意で、何が出来ないかを理解し整理する
- 7 得意な仕事だけに的を絞って仕事を与え、チームの仕事を全部割り振りし直す
- 8 苦手なことをさせない、克服させようとしない
- 9 得意なことで成果を出したらやったらほめてみる
- 10 職場のルールを徹底的に順守させる
- 11 あえて頼る
- 12 初めは指示通りに仕事をやらせ、徐々に自分で考える仕事にシフト
- 13 成功体験を増やして意欲を引き出す
- 14 全てにおいて感情的にならない
最大の目的は「部下そのものの改善」ではなく「生産性を上げ成果を上げる」こと
私達上司は、使えない、仕事できない、困った部下を「何とかしないと」という低い目線を持ってしまいがちです。
ただ、実は焦点は部下そのものの改善が目的ではなく、「マネジメントで成果を上げること」が本来の目的です。
つまり、困った部下をマネジメントで上手に使いこなし、チームに貢献させ、生産性を上げ、利益を生み出し、成果を上げることが最大の目的なのです。
そのための「手段」です。
手段を上手に使うには、技術(スキル)が必要です。
私達は、意外にこの視点を忘れがちです。
視点を広くし、生産性やチームの貢献という考え方に切り替えましょう。
これが、困った部下を何とかするための第一歩です。
強制・高圧マネジメントはもう使えない
部下マネジメントの前に、経済に視点を移してみましょう。
戦後はモノがありません。会社が発売・リリースすればなんでも売れる時代です。
具体的には、お金がある家でテレビを買うと、近所の人が沢山集まって見に来ていました。
だからこそ、戦後は経済成長率10%の時代だったのです。
ところが、現代はモノがあふれ、選択肢が沢山あり、何でも手に入る時代です。
現代は0.5%の経済成長しか望めない時代です。
モノが売れにくい時代なのです。
高度経済成長とは,経済成長率がとても高いことをいいます。日本では戦後1955〜73年の約20年にわたり,経済成長率(実質)年平均10%前後の高い水準で成長を続けました。
(引用:【現代の日本】戦後の好景気や高度経済成長の内容がよくわかりません – 進研ゼミ)
これが、戦後の状態です。
続いて現代の日本です。2019年で見ていきましょう。
日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、7月23日までに公表された各種経済指標の情報を織り込んだ予測によると、2019年度の実質成長率は0.5%、20年度は0.7%の見通しとなった。
(引用:19年度の実質成長率は0.5%、20年度は0.7%成長 NEEDS予測 – 日本経済新聞)
では、マネジメントに視点を戻しましょう。
モノを発売すれば、何でも売れる時代のマネジメントは簡単です。
上司の指示通りに部下が動いてくれさえすれば、今よりも明日、明日よりもあさっての状況が良くなるのです。
だからこそ、強制的で高圧的な上司が量産されていき、世の中も当然のこととされていました。
ただ、現代は上司の言う通りに動いて成果が上がるわけではありません。
さらに、ハラスメント、コンプライアンス、多様性、透明性など法律や色々な考え方でガチガチに縛られています。
しかも、経済の変化がスピーディに目まぐるしく動きます。何が起こるか分からない。
部下も生まれた頃から、沢山のモノに溢れて育っています。
答えが分からない時代は、民主的でコミュニケーションを中心にマネジメントをしていかないと上手くいかないということです。
経済の移り変わりととともに、強制・高圧なマネジメントは終わっています。
まずはここをおさえておきましょう。
やる気はなくてもいい。流れ通りやれば良いと考える
仕事のできない部下の多くは仕事に対する「やる気」や「モチベーション」が感じられません。
私達上司は「もっとやる気をだせ!」と言いたいところですが、やる気のない部下はそもそも仕事に対する熱量が無いので、無理に引き出そうとしても無駄な努力に終わります。
これは、アプローチ方法が違うのです。
彼らの共通点として、
☑ 仕事が遅いなど、上手くいかない
☑ 成功体験が無い(叱られてばかり)
☑ どうせ何をやっても上手くいかない
以上から、仕事に対する意欲が低くなるのです。
特に1年、2年で頻繁に異動する部下の多くは、このようなスパイラルにおちいっています。
仕事に対する意欲を引き出すには、昇給や昇格、叱咤激励といった外部からの要因と、自分から生み出される原動力のように内部の要因があります。
ところが、外部からの要因はモチベーションが長く続きません。
私の経験上、早い人でも3ヶ月が限度です。
やる気を引き出すには、内部的な要因が必要ですので、
☑ 引いたレールを間違いなく歩かせ、
☑ 仕事を教え、時には一般常識から教え、
☑ 上手くいったらほめ、
☑ 成功体験を沢山積ませ、
ここまでやって、ようやく部下の中に「やる気」が生まれるのです。
ですので、私達上司は「やる気はなくても特に問題ないし、まずは流れ通りやればいいよ。」
というスタイルでマネジメントに臨みましょう。
そうすることで、使えない、仕事ができない、困ったダメな部下が活用されていきます。
コミュニケーションを多くとり、性格や行動パターンを把握
使えない、仕事ができない、困ったダメな部下の多くは、成功体験が無いため自信がありません。
コミュニケーション能力もない人が多いので、報連相や周囲に頼るということもできません。
このような部下にはマメにコミュニケーションをとり、正確や行動パターンを把握していきます。
上司側からコミュニケーションをとっていくことで、お互いに話をし、考え方をすり合わせ、心を開かせるということが出来ます。
いわゆる「意思疎通」ができるということです。
意思疎通ができるようになると、
☑ 何が得意で、何が不得意なのか、
☑ 何をやっている時が一番楽しいのか、
☑ どんな仕事が向いているのか、向いていないのか
ということが分かるようになります。
以上は、部下自身が気づいていない場合があります。
その部分を掘り下げて、浮かび上がらせることです。
社内で使えない、仕事ができない、困ったダメヤツと言われる部下でも、1つ2つどころか複数の可能性が出てくることがあるのです。
なぜ、今までこのようなことが起きていたかというと、社内でのコミュニケーションが不足していることと、「この人はこういう人だ」と決めつけられていることが要因にあるからです。
困った部下は、向き合ってコミュニケーションを多くとることから始めましょう。
以下の記事では、管理職としてのコミュニケーション能力を身につける方法を詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
話しやすい雰囲気を出す
使えない、仕事ができない、困ったダメな部下は、上司に対し恐怖心を抱いています。
上司の目つき、顔つき、機嫌など、あらゆる方向から観察しています。
上司が機嫌が悪そうと感じたら、コミュニケーションの能力の低い部下は、何も話しては来ませんし、報連相もしなくなるのです。
私達上司は「何も情報が上がって来ないことはリスク」と思いましょう。
なぜなら、悪い報告を部下がしなかったり、隠すことで上司が知らない間に問題が大きくなるからです。
大事なことは、話しやすそうな雰囲気を作ることです。
上司がいつでも機嫌が良いと、コミュニケーションや報連相が滞りません。
自分にとって機嫌が悪い状態を極力作らないコツは、心と体を健全な状態にしておくことです。
自分をベストコンディションにするコツは、
☑ 睡眠をしっかりとる
→ 年齢や人によりますが、私は7時間半がベスト
☑ 長時間労働をしない
→ 極度に疲れさせない
☑ 定期的に運動をする
→ 運動は年を重ねるほど大事
☑ 趣味を持ち休日はリフレッシュする
→ 趣味に没頭できるとストレスが消えます
☑ 家庭でのコミュニケーションを多くとる
→ 家庭での会話は多めにとると、すれ違いが無くストレスにならない
以上は一例ですが、ストレスをためない、負荷をかけすぎない方法を見つけておきましょう。
自然に笑顔が出来て、話しやすそうな雰囲気が出てきます。
もし忙しそうなときは、デスクにメモを置いておいても良いと伝えておきましょう。
何が得意で、何が出来ないかを理解し整理する
部下の能力を見極めるのは、特に重要です。
使えない、仕事ができない、困ったダメな部下は、それほど多くの得意なことはないかもしれません。
ただ、どんな人でも必ず得意ことや優れている分野が存在します。
本人も意外に気付いていないものです。そこを深堀していきましょう。
☑ 会話がスムーズ・得意
→ コミュニケーション能力あり。人と接する仕事をさせる。ただし、一方的になっていないか確認
☑ 愛想が良い
→ 人と接する仕事をさせてみる
☑ 黙々と仕事に取り組んでいる
→ 人と接する仕事ではなく、経理、会計、税務、統計分析、研究の仕事をさせてみる
☑ 上司に業務の意見や提案をしてくる
→ 内容はどうあれ話を聞き、業務改善や企画の仕事をさせてみる
☑ 自分が先頭に立って仕事をする
→ パート・アルバイトリーダーなどの仕事をさせてみる
☑ 部下や同僚の面倒見が良い
→ 総務、人事系の仕事をさせてみる
☑ 器用なタイプ
→ 器用なタイプはなんでもやらせてみると良い。器用な分飲み込みが早い
どんなにダメな部下でも、1つくらいは良いところがあります。
得意な部分を見つけて、理解し、整理し、伸ばすことが大事です。
得意な仕事だけに的を絞って仕事を与え、チームの仕事を全部割り振りし直す
得意な分野を発見したら、その仕事を与えて様子を見ることが重要です。
私が実際に行ったことは、各社員にノージャンルでバラバラに割り振られた仕事を、ジャンルごとにまとめ、仕事の割り振りをゼロからやり直したことです。
仕事をノージャンルでメチャメチャに割り振られていると、責任が明確にならなず「自分の担当は○○○である。」という意識も出来なくなるのです。
同時にダメな部下もチームに貢献してもらうため、得意な分野(と思われる)の仕事を割り振りします。
説明も必ず実施します。もちろん「ダメな部下のため」とは言いません。
担当分野として責任を明確化することと、得意な仕事をやってもらうということで良いと思います。
チーム全体の仕事を動かすと慣れるまで時間がかかりますが、全体として成果が上がっていきます。
苦手なことをさせない、克服させようとしない
上司としては、部下に対して「苦手なことを克服してほしい」と思うものですが、そもそも苦手なことをさせても時間と労力の無駄ですし、本人のモチベーションは上がりません。
ただ、部下の中には、苦手なことを克服して成長したいという優秀な人もいますが、ほとんどいないと思った方が良いでしょう。
ですので、苦手な仕事をさせるよりは得意な仕事をさせた方が、チームに貢献しますし、組織にとっても都合が良いです。
ただ、人材が不足し、どうしても得意な仕事を振り分けられない状況もあります。
その場合は、苦手な仕事も持たせつつ、少しだけ得意な仕事を割り振りしてみましょう。
担当の補佐のような形で参加させるのも良い方法です。
部下は、好きな仕事をしているときが一番イキイキと働くものだからです。
人事異動がある組織では、人員が変わったタイミングで思い切って仕事の配分を生え、得意な仕事のみ与えることも効果があります。
得意なことで成果を出したらやったらほめてみる
使えない、仕事ができない、困ったダメな部下は、仕事に自信がないことがほとんどです。
仕事に自信がないと自分自身にも自信がないことが多いので、得意な仕事で成果をあげたときに、ほめてみてください。
部下はほめられると、成功体験を持ちますので自信がつきます。
注意点は、自信がつきすぎると周囲に対し上から目線になってしまい、トラブルの原因を作る部下も出てきます。
ほめすぎには周囲しましょう。
職場のルールを徹底的に順守させる
使えない、仕事ができない、困ったダメな部下の中には、職場のルールを守れない人がいます。
そのまま放置してしまうと、職場の環境が悪化していきます。
部下には職場のルールを徹底的に順守させましょう。
職場のモラルの低下を防ぐには、ルールの守ることにあります。
あえて頼る
ダメな部下は、あまり人から頼られることがありません。
なぜなら、失敗やトラブルを引き起こすからです。
ただ、得意な仕事を割り振り、成果を出せるようになってくると、自然と自信が身に付き、徐々に職場に貢献してくるようになります。
そのタイミングで、あえて頼ってみましょう。
👨「自分ではこの仕事を上手く進められないので、○○さんなら上手くいくと思ってるから、やってみてもらえないかな?」
以上で良いと思います。
自分で仕事を進めてもできるけど、「あえて頼る」ということをしてみてください。
部下は水を得た魚のように仕事をしてくれるはずです。
初めは指示通りに仕事をやらせ、徐々に自分で考える仕事にシフト
使えない、仕事ができない、困ったダメな部下は、いきなり難易度の高い仕事を持たせても進められません。
初めは上司の指示通りに仕事をさせ、報告ももらいましょう。
自分の手足のとおり動いてもらうイメージです。
そこで問題なく進められるようになったら、徐々に自分で考えさせるようにします。
上司が部下に全ての指示を出していたら、チームとして大きな仕事の成果は出せません。
仕事を安心して任せられるようになったら、自分でも考えさせるようにしていきましょう。
成功体験を増やして意欲を引き出す
成功体験が多い部下は、自尊心が高く、自分に自信があります。
反対にダメな部下は成功体験が少ないため、自分に自信がありません。
「どうせ何をやってもダメなんだ・・・」と自信を失っているか、開き直っているかのどちらかです。
そんな部下は、成功体験を増やすことが大事です。
かといって、いきなりほめ過ぎると自尊心が急激に過大になり、相手を見下すなどのトラブルにも発展しますので、少しずつ自信を身に付けるようにリードしていくと良いでしょう。
部下の成功体験を増やし、チームに貢献していく人材に育てていきましょう。
全てにおいて感情的にならない
課長になると感情的になる場面が非常に多くなります。
しかもダメな部下は、特に感情的になりがちです。
感情的になるということは、感情の振れ幅が大きくなり、血圧が頭に集中するということの繰り返しになり、疲労感やストレスが大きく、自律神経にも異常をきたします。
1日3分の瞑想や頭の中の雑念を受け流すこと、休日のストレス解消法を身に付け、感情的にならないようにしていきましょう。
感情的になるということは、非常に損ですから。
以上、「使えない、仕事ができない、困ったダメな部下を活用する14の技術」でした。
ではまた^^
課長・管理職の役割や仕事術をまとめたページを作りました!
部下や上司との人間関係、問題やトラブル、課題、新規事業、人材不足による長時間労働など、多岐にわたる問題にお役立ていただければ幸いです
(※この記事も掲載しております。)
▼使えない部下、仕事ができない、困った部下のマネジメント法を深堀して学んでいきましょう!