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30~40代の中間管理職の男性視点で、仕事に役立つ記事を書いています。
さて、課長と係長の違いは一体何でしょうか?
私は係長を10年経験し、その後課長になり5年間経験しました。(タイトルは2年ですが5年でとなります。)しましたが、「組織上の役割に違いがある」と感じました。
もちろん、明確に分けられず係長と課長の役割が重複する部分もいくつかありますが、私の実体験から「課長と係長の違い」をリアルに解説していきます。
ではいってみましょう!
目次
係長はリーダーであり、課長はマネージャーである。
係長は「リーダー」です。
誰も嫌がることや課題解決のために率先して仕事をし、チームの旗振り役になります。
頼れる兄や姉のような存在が「係長」です。
係長の上司に、課長代理や課長補佐がいれば課長の補佐はしなくても良いですが、いない場合は「課長が困ったときの頼れる存在」になります。
ところが、課長は全く仕事が違います。
課長は事業計画を立て、事業計画を目標数値に細分化し、振り分けます。
目標を達成できるかを考え、部下に実行させる立場にあります。
課長は目標が達成できなければ、どんな問題があり、今後どうすれば良いのか考えなければなりません。
ただ、役割は完全に分けることができず、
☑ 課長は、マネジメントの役割が大きく、リーダシップも大きい
☑ 係長は、マネジメントの役割は小さく、リーダーシップが大きい
という風に考えられます。
「係長の役割」は、以下の記事で分かりやすくまとめていますので、参考にしてみてください。
係長は「判断できる幅」が狭く、課長は広い
判断できる幅とは、言い換えると「裁量」のことです。
私の経験では、組織の中でルールが厳密に決まっているわけでありませんが、
☑ 係長は判断できる幅が狭いため、上司に相談をしないと物事を動かせない
☑ 課長は、判断できる幅が広いため、上司に相談しなくとも物事を決定して動かせる
以上のように感じられました。
裁量の大きさは、仕事を決められる醍醐味がある反面、大きな責任も伴います。
権利と責任は表裏一体。
仕事が軌道に乗れば大きな喜びにつながりますが、失敗すればストレスにもなります。
ただ考えようによっては、課長、係長とはいえあくまでも従業員であり、組織の中の人です。
何かあっても、相談できる上司がいます。
係長の視点は「自分の仕事」であり、課長の視点は「経営者」
係長は、部署の担当者レベルの視野で仕事をします。
つまり、自分の仕事が中心となります。
その視点が中心ではあるものの、部下の育成もします。
一方で、課長は「経営者の視点」で仕事をします。
経営者の視点ですので、自分の部署のことだけでなく組織全体の状況が分かるようになります。
面白いもので、管理職の会議や取締役会議など、全体会議に出席しているだけで、課長の視点が手に入ります。
ただし、課長の立場や役割上そうなるだけですので、自分の力を過信しないようにしましょう。
係長は自分の仕事で結果を出し、課長はチームで結果を出す
係長の視点は自分の仕事ですので、自分自身の仕事で結果を出せばOKです。
ところが、課長は係長などの部下を含めた「チーム」で結果を出さなければなりません。
以上の理由があるために、係長はリーダー、課長はマネージャーという分け方ができるのです。
💡 係長は、自分の仕事で結果を出すために、業務に必要なスキルや知識を身に付けることで成果を出すことが出来ます。
💡 課長は、チームで結果を出すために、業務に必要なスキルや知識だけでなく、ヒト、モノ、カネをマネジメントする知識を身に付けることで成果を出すことが出来ます。
マネジメントするためには、
☑ ヒト → 観察力、洞察力、人心掌握、コミュニケーション能力、リーダーシップ、行動力
☑ モノ → 意地管理力、設備投資
☑ カネ → 計画、実績、目標、予算、決算
簡潔に言えば、以上のように分けられます。
係長は「好かれ、頼られる存在」であり、課長は「いざとなったら怖い存在」である
係長は管理職ではなく、一般社員側の存在です。
だからこそ、部下から好かれるリーダーであり、何かと部下から頼られることが多いです。(もちろん人柄にもよります)
課長は仕事を部下に割り振り、仕事をさせ、成果を出す立場にあります。
仕事ができなければ、できるように仕向けさせなければなりません。
注意しなければダメなときは、部下を叱り、指導し、だらけたり風紀を乱す人物には厳しくしなければならない場面もあります。
課長は係長のような優しいリーダーシップではなく、厳しさと優しさを持ちあわせつつ、部下をマネジメントし、組織を率いるリーダーシップをイメージしてみてください。
仕事ができなくても部下は許してくれますが、真摯さを持たない課長を部下は許しません。
率先して仕事をしていれば心を動かされる部下はそれほどいませんが、結果を出し続ければいつかは尊敬に値する上司となることでしょう。
むしろ心を動かされるというよりは、自分もやらないと叱られてしまうから仕事をしなければ・・という気持ちになってくれさえすればOKです。
以上のように、課長は部下からすればどちらかといえば「少し怖い存在」です。
ちなみに、私は優しい人間だと思います。
ただ、課長になって分かったことは、優しさはありつつも、いざとなったらいつでも刀を抜いてズバッと切るくらい(あくまでイメージです)の厳しさを持たないと、人間はわがままで、楽をしたくて、適当なものなのです。(自分も含めて)
少々厳しいくらいが実はちょうどいいのです。
とはいえ、現代は強烈なリーダーシップよりも、「任せる」、「支援」を重視したマネジメントに変わってきていますので、時代とともにマネジメントスタイルは変わっていくものと頭にれておきましょう。
係長はプロセスや行動力で評価される。課長は数字に表れる結果がすべて。
係長は、仕事のプロセスや行動力も評価の対象になります。
どれだけ課題の解決にチャレンジしたかも、プラスの要素になるでしょう。
ただし、課長は月次、年次、決算期で出る数字がダメなら、×評価でしかありません。
なので、課長は職務的、技能的にも能力値が高く、部下の能力を客観的に把握して動かす力が無いと厳しいと思います。
私は何度くじけそうになったか分かりません。
部下を上手く動かせないと、自分が仕事を抱え込んでしまう状況になるのです。
ただし「いつかは慣れる」ということもありますので、課長になってくじけそうになったら、2年は歯を食いしばってがんばってみてください。
部下の面倒を見るのが係長、部下を冷静に評価しているのが課長
係長は、兄貴的で頼れるリーダーです。
部下の面倒を見ながら、叱咤激励しつつ仕事を進めます。
部下からプライベートな面で相談されたら、部下から慕われている証拠です。
その反面、課長は多面的に部下の能力を把握し、常に評価をしています。
目標に向かって仕事をし、結果を出してくれれば「最高の部下」になります。
反対に、期待値よりも低く、能力も低く、仕事もロクにせず給料だけもらっている部下は「いらないな」と思うようになります。
課長のマネジメントは、「部下を厳しく評価すること」なのです。
どんなに使えない部下でも、マネジメント次第で強力な部下にできます。以下を参考にしてみてください。
部下の様子を見ながら仕事をさせるのが係長。あふれる仕事を細分化して割り振るのが課長
係長はリーダーとして、部下の面倒や様子を見ながら仕事を依頼します。
共に協力し、時には叱咤激励をし、目標に向かって走ることもあるでしょう。
ところが、課長はそんなことをしている暇はありません。
私の経験では、課長という立場は問題やトラブル、課題解決の仕事が次々と発生するため、悠長に仕事をしていたら仕事は全く片付きません。
私は課長になってから、夏季休暇などの連休はほとんどとれなくなり、毎日一番に出勤し、夜は誰よりも遅く帰ります。
肉体的、精神的に自分の身が危うくなる時もありました。
そうなると、課長は部下に大きい仕事を任せるか、仕事を細分化してさせるかしか方法はありません。
課長と係長は、仕事のさせ方でも違いがあります。
係長は第一の壁。課長は最後の砦(とりで)
問題やトラブルが起こったとき、係長は第一の壁になってくれます。
係長で解決できることは、係長が判断して解決します。
係長が判断できなければ、課長代理や課長補佐が判断します。
そこで判断できなければ、最終的に課長が判断します。
つまり、課長が最後の砦なのです。
課長が判断する案件は、結構ヘビーな状態になっている場合が多いです。
係長が有能であればあるほど、課長に上がってくる案件のレベルが高くなります。
この記事を書いた人
「生き方」×「働き方」を学び未来を切り開くwebメディア「イキルメディア」の運営者。金融機関や企業の経営企画マネージャーを経て、起業。webメディア運営や出版などを通じてキャリアアドバイスをするなど、事業に邁進しています。
課長・管理職の役割や仕事術をまとめたページを作りました!
部下や上司との人間関係、問題やトラブル、課題、新規事業、人材不足による長時間労働など、多岐にわたる問題にお役立ていただければ幸いです。
(※この記事も掲載しております。)
係長・仕事の進め方などは、係長・主任の役割と仕事で一覧にしてまとめています。
具体的には、係長・主任の役割や仕事の進め方、部下、上司、リーダーシップなど、多岐にわたる仕事の方法を解説しています。
仕事の進め方から、人生論まで詳細にわたって記事にしていますので、困ったり悩んだりした時にお役立ていただければと思います。
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▼課長と係長の違いは理解できたでしょうか?次は、課長としてのキャリア形成を学んでいきましょう