「部下が働かない」、「仕事に対する意欲が無い」、「言うことを全く聞かないので困る・・。 」
という課長の悩みは多いです。
かつての私もそうであったように、働かない部下が働くようになるには、容易なことではありません。
ただ、以下の方法をコツコツ継続すれば、1ヶ月、2ヶ月、半年と時間が経過するごとに、徐々に仕事をするようになります。
その技術をまとめていきたいと思います。
ではいってみましょう!
目次
まずは、課長であるあなた自身の「仕事に対する姿勢」を振り返ってみよう
まずは、前提となりますが、「課長であるあなたが働く人なのか?」ということを胸に手を当てて考えてみてください。
私が働き始めた2001年頃は、恐怖で人をマネジメントする人が沢山いましたが、現代はハラスメント問題もあり、恐怖心では人を動かすことができない時代になりました。
1532年に刊行された「君主論」(ニッコロ・マキャヴェッリ)によれば、人を動かすには恐怖を与えることが一番良い方法で、裏切ることが無いとも言っていますが、そうとも言い切れなくなりました。
人も変わり、時代も変わればマネジメントもさらに高度化し、変化していくでしょう。
時代が変わっても、変わらないのは「人を動かすために、自分を律すること」です。
自らを律し、仕事への意欲や姿勢を見せることで、部下は能動的に働くようになります。
部下が働かなくて困っていると嘆いたときは、一度、自分の行動を振り返ってみてください。
中堅部下の「無気力」に対する対処法
中堅部下の無気力化による、「働かない状態」は課長にとって結構やっかいです。
無気力な部下は、仕事に対する意欲が薄く、ミスやクレームが発生しても報告しなかったり、周囲とコミュニケーションをとりません。
そもそも、無気力な部下はどのように生まれるかというと、
・出世ができずに意欲を消失
・仕事が合わない部署に配置された
・長時間ガムシャラにがんばりすぎて燃え尽きた
以上の場合は、以前は意欲があったのに、意欲がなくなった状態ですので、「ポジティブ系無気力」です。
この場合は、意欲を引き出すために「専門性を見つけて頼る」、「褒める」ことで、自尊心を満たしていき、徐々に仕事に対する意欲を引き出しましょう。
ところが、そもそも、労働意欲が無かったり、生きる気力や活力が無いネガティブ系無気力な部下もいます。
この部下の場合、周囲の同僚に協力してもらい、連帯感や仲間意識を持たせることで、徐々に労働意欲を持たせると良いでしょう。
そのようなやりとりの中で、ミスを隠したりすぐに対処しなかったことへの注意を促すことも良い方法です。
例えばミスが発生した際には、あえて課長が対処せずに「自分で対処させる」という荒療治をすることで、「自分の行動で失敗が引きおこり、結果、自分で対処しなければならないことを体で覚えさせる」と、徐々に連絡や報告をするようになります。
働かない「問題児部下」への対処法
問題児部下は新人とは違い、社内情報や政治に慣れており、手の抜きどころも覚えています。
このような部下の場合、最低限の仕事はするものの課長の指示を聞かなかったり、わざと報告や連絡をしないなどをるようになります。
周囲とつるんで、自分勝手な行動をとる部下もいます。
現在はコンプライアンスもあり、表立って悪さをする部下はいなくなりましたが、問題児部下がいなくなったわけではありません。
このような部下の場合、古典的なマネジメント法ですが、「口うるさく」、「指示命令」という雰囲気で接した方が、割と上手くいきます。
もし、課長ができない場合は、真面目で、鬼のように口うるさい先輩を間に立てることで、悪事をおさえることができるでしょう。
もちろんですが、ハラスメントにはならないように気をつけましょう。
目的は、部下から働いてもらうことですから。
完璧主義なタイプは行動が遅い
決して働かないわけではありませんが、どうも動きがにぶく、仕事をしているのかしていないのか分からない部下がいます。
このような部下の中でも、「完璧主義なタイプ」は行動が鈍いです。
なぜなら、「常に完璧に仕事をしたい」という人は、新規事業や新しい仕事のように失敗ありきの状態が耐えられないのです。
つまり、失敗したくないから、行動が遅くなるのです。
完璧主義なタイプの中でも、責任感がとぼしい割りにプライドが高く、リスクを怖がる部下は、働きがにぶい方です。
こういったタイプの部下は、自分の得意な仕事に対してはコツコツと進めることができますので、振り分ける仕事を見極め、与えて見守ると良いでしょう。
性格を見極めて、仕事をさせると意欲的に働くようになりますので、ぜひ覚えておきましょう。
働かない「おっさん」はなぜ働かないか?
「働かないおっさん」が、日本企業で問題となっています。
これは、年功的に増えていく賃金に対し、見合った働きができなくなった状態のことを言います。
例えば、
・部下には高圧的に指示命令を出すわりに、隠れてPCやスマホでゲームやSNSで遊んでいる
・新しい制度や仕事に文句を言うだけ言って、結局何もしない
・若い人に仕事を全部押し付けて、自分は遊んでいる
・1日デスクに座っていても何もしない
このような「オッサン」は結構います。これでは、若手の不満は募るものです。
これは、何も男だけではなく、女性でも同じようにいます。
このようなタイプの部下は、以前は働きに見合った賃金を得ていましたが、環境の変化や新しい技術についていけなくなったのです。
これは年功序列型の組織や、社会の構造的な問題のため、一課長がどうこうして解決できる問題ではありません。
働かないおっさんを部署や配置転換をしても、なかなか解決できない難問です。
構造的に大きな変化を加えなければ、難しいと課題と言えるでしょう。
ただ、おっさんは「責任問題」へのアンテナが高いです。
自分の責任になりそうなことは、猛然と回避しようとしてくるので、自分の責任から逃げられないようにすると、やがて諦めて仕事をします。
ただ、このような部下は今後は通用しなくなります。
例えば、会社のPCで遊んでいれば、PCで1日何をしていたか操作記録が可視化され、会議や在宅勤務によるオンライン化によって、成果物で評価される時代に移行しているためです。
時間とテクノロジーの進化によって、働かないおっさんは働かざるをえない状況になるでしょう。
給料分しか働こうとしない部下に対するマネジメント法
部下の中には、給料分しか働こうとせず、しっかり有休(年休)をとり、指示も聞こうとしない部下は課長の悩みのタネです。
困った部下は配置転換できれば一番良いですが、課長には人事の裁量まではないことが、ほとんどではないでしょうか
課長の指示を聞かず、給料分の仕事しかしない部下への対処は、人事異動など人が入れ替わったタイミングで「仕事を細分化して仕事を割り振る」か「仕事の担当を割り当てる」と良いでしょう。
給料分の働きしかしない部下は、自分に割り振られた仕事はしっかりとしますが、それ以外のことはしない方が多いです。
つまり、何かのタイミングで仕事を与えるのです。
そうすることで、自分の仕事として取り組んでくれるようになります。
こういった部下は、若手よりもベテランに多いので、「課長にあれこれ指示されたくない」という人に有効です。
もちろん、仕事のボリューム過多になって、長時間労働になってしまっては本末転倒ですので、ボリュームには気をつけるようにしましょう。
インセンティブ(動機づけ)を与える
インセンティブを与えることは、働くようになるきっかけの1つです。
動機づけは、給料や手当と言えますが、一課長の判断で給料や手当を増やせるほどの裁量はありません。
そこで「お酒」というインセンティブも、今の若手にはあまり通用しません。
上司から「この仕事終わったら、飲みに行こう!」と誘われて喜ぶ部下は少ないです。
上司によほどの魅力がある人物でなければ、部下は飲みにいこうとは思わないのが現代です。
そこで、給料やお酒以外で部下へのインセンティブを与えようとすると、
・自己成長できる(資格をとらせる、研修に出席させる)
・プライベートの時間(有休、年休がとりやすい、残業がない)が多い
・女性には、お菓子や美味しいランチ・弁当など
以上のようなことを考えながら、インセンティブを与えてみてください。
ただ、中にはガムシャラに猛烈に働きたい部下や、お酒が好きな部下など、様々なタイプがいます。
部下のタイプを見極めて、インセンティブを与えたり意識させると、仕事をしてくれるようになるでしょう。
成功体験を踏ませる
働かない部下の中には、「成功体験が少なく、自尊心が低い」部下もいます。
働かないというよりは、叱られてばかりで自信を失い、仕事が億劫になっている状態です。
このような部下には、少しずつ新しい仕事を与えてみて、少しでも上手くいったらほめたり、多少のミスには寛容になることです。
いつも怒られてばかりで育ってきた部下は、ビクビクしています。
例えば、このような部下が自分に自信が無いまま出世すると、他人のミスを容赦なく攻撃したり、叱責するような上司になってしまうでしょう。
そうならないように、自尊心を少し満たしてあげましょう。
良いことや上手くいったことはきちんと褒め、ダメなことは指摘することで、少しずつ成功体験を踏ませ、自分自身で行動を起こす=(働くようになる)を目指してみてください。
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ではまた^^
課長・管理職の役割や仕事術をまとめたページを作りました!
部下や上司との人間関係、問題やトラブル、課題、新規事業、人材不足による長時間労働など、多岐にわたる問題にお役立ていただければ幸いです。
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