組織の中枢である「課長」は非常に忙しい存在です。
忙しすぎる課長は一体どうしたら良いのか、意識しておくと良いことを、私の経験を元に書いていきたいと思います。
では早速いってみましょう!
目次
- 1 前提として、課長でなければ出来ない仕事が増えている
- 2 プレイヤーの仕事が多すぎて、マネジメントできる頭の余裕が無いのが現状である
- 3 丸ごと仕事を引き受けて、成果を出せる部下は「ほぼいない」と思って良し
- 4 早朝出勤・夜遅くまで働き、休日出勤で走り続けると、必ずガタがくる
- 5 部下が暇を持て余している場合は、仕事を細分化して割り振る
- 6 直属の部下がダメなら、下部組織の「間接部下」を育てる
- 7 「相談のしやすい課長」「話しかけやすい課長」を意識するだけで部署の仕事はスムーズになる
- 8 3年でスピード感をもって判断、決断できるようになろう
- 9 時間を作るには部下には仕事を任せるしかない、だからこそ意識したい「仕組み」
前提として、課長でなければ出来ない仕事が増えている
私が課長を経験して思ったことは、「現代は世の中の変動が激しいために、課長しかできない仕事が増えている」という実感があります。
例えば、
☑ 規制や法律が頻繁に変わるため、頭に入れておかなければならない
☑ ビジネスモデルや動向が激しく変化するために、頻繁に経営計画の立案や、見直し、修正に迫られる
☑ 上記と同じように、新規事業を並行して動かす必要がある
☑ 部門間でコミュニケーションをとりながら、調整できる人材がいない(係長が優秀であれば別)
以上のように、組織の中枢で経営者レベルですぐに判断して、実行できる立場でなければ出来ない仕事が増えていると感じます。
部下が非常に優秀であれば、そのまま任せることができますが、実態はそうでないことがほとんどです。
まずは、前提として課長の仕事が忙しすぎる理由がここにあります。
プレイヤーの仕事が多すぎて、マネジメントできる頭の余裕が無いのが現状である
私が課長をやってみて思うのは、「課長はマネジメントに頭を使えればもっと部門全体の成果を出せる」と思います。
仕事の7割は、担当レベルのプレーヤーの仕事です
現代の課長がなぜプレーヤーの仕事が多いかというと、
☑ 昔の課長は働かなかった(マネジメントしない)ため、組織として成果を出せなかった反省があったこと、
☑「管理できないならプレーヤーの仕事をさせよ!」という圧力があったこと、
☑ 課長にプレーヤーの仕事をさせることで、担当者を1人減らせるという経営サイドの思惑
そして、私達の年代が管理職になると、マネジメントもプレーヤーの仕事も割ときちんとしようとするので、すぐパンクするというのが現状と思います。
丸ごと仕事を引き受けて、成果を出せる部下は「ほぼいない」と思って良し
課長が常に忙しく、多忙な理由には「仕事を丸ごと引き受けられる人材がいない」こともあります。
課長の思いとしては、仕事を丸ごと引き受けてもらい、進捗だけ報告してもらえば、その都度判断するだけなので非常に楽なのです。
ただ、そんな人材は正直いません。いたとしても、ほんの一握りです。
ですので、人材にはそれほど期待せず、いたらラッキーくらいの気持ちでかまえた方が無難です。
早朝出勤・夜遅くまで働き、休日出勤で走り続けると、必ずガタがくる
私の経験上でもありますが、誰よりも早朝出勤し、夜遅くまで働いた上に、休日出勤をしていると必ず体を壊します。
課長は管理職で労働基準法の適用を受けませんが、だからといって無限に働けるわけではありません。
あくまでも生身の人間なのです。
人それぞれですが、「人間として働ける限度」というのは存在します。
家に帰ってからご飯を食べ、寝るだけの生活になると、やがて活力を失ってボロボロになっていきます。
人間として、休息も必要なのです。
部下が暇を持て余している場合は、仕事を細分化して割り振る
課長が忙しすぎる中でも、部下が暇を持て余し、しかも働き方改革の名の元に、定時サクサク帰っている状態にあるとすれば、非常に問題です。
仕事を丸ごと引き受けられない部下だったり、課長のその都度の指示を受けられない部下の場合、仕事を細分化して渡す方法があります。
例えば、
☑ 調査の上、データをまとめる
☑ 存在するデータを、特定の業務に使いやすいように加工する
☑ 事務処理だけ与える
☑ 月ごと、日ごと、週ごとのルーティンに分けて仕組み化して、部下が実行しやすいようにする
以上のように、仕事を細分化して与えることは、忙しい課長に有効な手段です。
直属の部下がダメなら、下部組織の「間接部下」を育てる
部下は、事務、オペレーター、作業など、引かれたレールを走れる人は沢山います。
ただ、レールの中を走る中で「もっと簡単にできる方法がある!」「こうやれば生産性が上がる!」「効率化できる!」など、提案してくる部下はほとんどいません。
それほど、問題意識を持って仕事をし、自分事としてやれる部下がいたとすれば、優秀な部下と言えるでしょう。
直属の部下に優秀なタイプがいないときは、下部組織にまで目を通してみましょう。
例えば、本部の課長であれば、支店のように間接的な部下は沢山いるはずです。
課長は、間接的な部下にも、少なからず影響力が出せる立ち位置にいますので、ぜひ、間接部下をしっかり育てましょう。
継続して教育していけば、全体の業績として上がっていきます。
「相談のしやすい課長」「話しかけやすい課長」を意識するだけで部署の仕事はスムーズになる
私は課長になってから、「相談しやすい」、「話しかけやすい」ことがいかに重要なことか気付かされました。
例えば、相談しづらく、話しかけにくい課長だと、部下が仕事を報告しなかったり、ミスを隠すことも考えれます。
課長が知らないところで、ことが大きくなって初めて気付くということもあります。
問題が大きくなる前に対処しなければ、結局、自分の仕事が増えて、忙しくなるばかりです。
私の経験を思い出すと、顧客からのクレームで、あやうく裁判沙汰になったことがあります。
結局、自分の仕事を一旦止め、クレーム交渉の段取りや法務的な調査を含めて、夜遅くまで仕事をすることになりました。
原因はどこにあるかというと、私が忙しすぎて、部下が相談しづらい雰囲気があったのでしょう。
早く報告を受けていれば、すぐにアクションをとり、火消しできたはず。
つまり、課長は部下が相談しやすい、話しかけやすいようにするだけで、最終的に忙しさを回避できるようになるのです。
以下の記事では、管理職としてのコミュニケーション能力を身につける方法を詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
3年でスピード感をもって判断、決断できるようになろう
課長になったばかりの頃は、「使われる側」から「使う側」に変わり、戸惑いや不慣れがあります。
そのような中で、スピード感を持って判断したり、決断するのはかなり難しいでしょう。
課長という役職は、結局は「慣れ」でもありますので、年数が経過すればおのずと判断できるようになります。
3年もすれば、スピード感をもつことも可能と思いますので、日々小さいことから「自分で決めるクセ」を身に付けていきましょう。
あなたが課長になって、まだ1~2年目だとすれば、まだ慣れが必要です。
私もそうでしたが、「自分は課長に向いてない・・」と決めつけるのは、まだ早いです。
まずは3年間は、じっくりと腰を据えて取り組んでみましょう。
時間を作るには部下には仕事を任せるしかない、だからこそ意識したい「仕組み」
部下は、信頼できても、信頼できなくても、現実的に目の前には仕事が山ほどあります。
どんなに課長がプレーヤーとしての能力が高く、処理能力が早くても、自分だけで仕事をし続けることはできません。
ただ、部下はそれぞれ能力が異なります。
・仕事ができ、信頼もでき、頼れる部下
・仕事はそこそこでき、信頼もそこそこだが、まだ頼れない部下
・仕事はできるが、信頼できず、頼れない部下
・仕事ができず、信頼もなく、頼れない部下
仕事ができて、信頼もでき、頼れる部下は一握り。
あとは、普通の部下です。
だからこそ、部下が自分で自走できる仕組みを意識して作っていきましょう。
具体的には仕事の流れを組んだ上で「ここまでは自分でやっても良い」、「これは自分で判断してはダメで、必ず私の判断を聞いてからにする」など、判断の基準を教えていきます。
これが、仕組みづくりの基本です。
ぜひ、多忙で忙しすぎる課長を脱却できるように、じっくりと取り組んでみてください。
ではまた^^
課長・管理職の役割や仕事術をまとめたページを作りました!
部下や上司との人間関係、問題やトラブル、課題、新規事業、人材不足による長時間労働など、多岐にわたる問題にお役立ていただければ幸いです。
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